本日は生活習慣病の中にも含まれる「高血圧」についてお話しいたします。

 

高血圧とは

まずは血圧についてを簡単にご説明いたします。
「血圧」とは、心臓から送り出された血流が血管の内壁を押す力 のことをいいます。

血圧は体を動かしたり、寒さを感じたりなど、ちょっとしたことで上昇します。
このように一時的な血圧上昇であれば異常ではないのですが、安静時でも常に血圧が高い状態のことを「高血圧」といいます。

 

高血圧の診断基準

血圧の値がいくつ以上になったら高血圧とみなすかは、診断基準が決まっています。

収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上の場合をいい、どちらか一方でもこの値を超えていると高血圧症と診断されます。

「血圧の上の値、下の値」という言葉を耳にしたことがあるかと思いますが、「上の値」とは、収縮期血圧のことをいい、「下の値」は拡張期血圧のことを意味しています。

 

血圧が上昇する仕組み

次にどうして血圧が上がってしまうのか、体の中で起こっているメカニズムについてを簡単にお話いたします。

まず、大きく4つの原因に分けられます。

 

  • 全身の血液量が増える場合
    1つ目は、体の中をめぐる血液の量が増えることでおこる場合があります。
    通常、人間の体は血液量を一定に保とうとしますが、塩分を取りすぎた場合に余分に水分をため込んでしまったり、腎臓の機能が不調な場合などに、血液中の水分を体の外へ出すことができず、血液量が増えてしまい、血管への圧力が高まることで、血圧が上がってしまいます。

 

  • 心臓から血管へ送られる血液量が多い場合
    2つ目は、心臓がドクドクと収縮することで送り出される血液量が増える場合です。
    ハードな運動を行った時など、一回で送り出す血液量が増加することがあります。多くの血液が勢いよく一度に流れることで血圧が上昇します。

 

  • 血液が流れるときに抵抗がある場合
    3つ目は血管内に何か抵抗となることがある場合の、血圧増加です。
    体の先端にある血管にまで血液を流そうとしているのに、その途中の血管が狭くなっていたり、収縮して流れにくくなっている場合に起こります。若年層での高血圧に多い原因です。

 

  • 血液がサラサラしていない
    4つ目は血液の状態によって起こる血圧上昇です。
    血液がドロドロになっていると血管内をスムーズに流れることができず、からだが血圧を上げて血液を流そうとします。そのため、血圧が上昇しています。

 

実際、高血圧と診断された患者さまの原因を明確にお伝えできる割合は少ないです。

しかし、影響していると考えられる要因としては以下のような内容のことが挙げられますのでご紹介いたします。

 

【生活習慣によるもの】
・アルコールの飲み過ぎ
・ストレスが多い生活
・肥満
・運動不足
・疲労
・老化
・食生活の乱れ

 

【病気が原因で起こる高血圧】
病気の影響で血圧があがってしまうことがあります。多くの病気との関連があります。

 

できるだけ早い段階での生活習慣を見直しが大切です

高血圧の原因は生活習慣からきていることがほとんどです。高血圧の状態を放っておいても改善することはありません。

進行してしまうと大きな病気を引き起こす可能性もあがってしまいます。定期的な健康診断の受診と、生活習慣の見直しをおすすめいたします。

 

堀田医院 院長
近田 和余